【3月19日 AFP】国際原子力機関(IAEA)は18日、日本47都市での放射線量を計測した結果として、「東京ほか複数の都市の放射線は健康上の影響が出るレベルではない」との評価を発表した。

 IAEAのグラハム・アンドリュー(Graham Andrew)科学技術担当補佐官は会見で、「日本の47都市からの情報が定期的に入るようになった」と述べ、「東京都ほか複数の都市の放射線レベルは、対策が必要なレベルを大幅に下回っている。言い換えると、健康上の危険はない」と語った。

 IAEAは、放射線監視チームを日本に派遣したばかり。事故を起こした福島第1原子力発電所から危険な放射線が放出されているかどうかの判定で、日本政府を支援する。

 アンドリュー補佐官は「都内での最初の計測では、核分裂によって発生する(放射性物質の)ヨウ素131やセシウム137は確認されなかった」と述べた。

 IAEA監視チームはこれから「迅速に」福島県に移動し、県内の計測を始める。

 また、IAEAによると、秘密核実験を監視する包括的核実験禁止条約機関(Comprehensive Test Ban Treaty OrganizationCTBTO)準備委員会が測定した放射線レベルも、IAEAの評価を裏付けているという。

 IAEA関係者によると、CTBTO準備委員会の測定で、米カリフォルニア(California)州南部のサクラメント(Sacramento)でも福島第1原発からの放射線が検出されたが、現状は健康上の危険があるレベルを大幅に下回っている。(c)AFP/Simon Morgan