【3月18日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council、15理事国)は17日、リビア上空への飛行禁止空域を設定し、最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の政府軍に対する空爆を容認する決議案を、賛成10、反対0、棄権5で採択した。

 決議は、飛行禁止空域を設定し、市民と市街地を守り、停戦を実現させるため「あらゆる必要な措置」を取ることを認めた。空爆も含む武力行使を容認した一方、地上軍の派遣は認めていない。米国のスーザン・ライス(Susan Rice)国連大使によると、決議では「即時停戦と市民に対する暴力・攻撃の完全中止」を求めている。

 15理事国のうち、常任理事国のロシアと中国は棄権したが、拒否権は行使しなかった。ドイツも棄権した。

 外交筋は決議を受け、英仏米を中心とし一部アラブ諸国も参加した連合軍によるカダフィ軍への空爆も時間の問題との見方を示している。

■カダフィ軍、反体制派拠点に迫る

 決議採択の報に、リビア反体制派が拠点とするベンガジ(Benghazi)では夜空に向けて祝砲が撃たれ、モスクの拡声器からは「神は偉大だ」との声が流れた。

 カダフィ軍はベンガジに迫っており、安保理の採決に先だってカダフィ大佐は、国営テレビを通じ「決定は下された。心しておくがよい。わが軍は今夜にも(ベンガジに)到達する。慈悲は無用だ。世界はベンガジ解放を目にするだろう」と語り、数時間以内にもベンガジを奪還すると宣言していた。

 また、カダフィ政権の国防相も、外国軍がリビアに攻撃を加えれば「地中海の空路および航路は著しい危険にさらされることになる」と警告していた。(c)AFP/Sara Hussein