【3月8日 AFP】オーストラリア・ビクトリア(Victoria)州の州立学校でのいじめが原因で、十分な読み書きと計算の能力が身につかなかったとして、メルボルン(Melbourne)在住の少年(15)が州を訴えた。公共放送ABCが8日までに報じた。

 訴えたのは中学の最高学年にあたる10年生の少年。法律の規定によって少年の氏名は明らかにされていない。ビクトリア州当局は8日、ABCの報道を認め、裁判で争う方針であることを明らかにした。

 少年の弁護士は、ビクトリア州政府は「ワールドクラス」の教育を約束しているにもかかわらず、少年は十分な教育を受ける機会を奪われ、7年生になった2008年時点での読み書き能力は6歳児程度だったと主張した。少年側は十分な学力が身につかなかったことによる将来の逸失利益についても訴えている。

 また少年の言語障害は深刻であり、注意欠陥多動性障害や不安神経症、学習障害などの症状もあるが、特別学級に編入すべきほどではないと主張している。

 ビクトリア州の担当者はAFPの取材に、裁判中なので詳しいコメントは差し控えると回答した。(c)AFP