【3月3日 AFP】銀行のコンピューター障害により口座残高よりも多い金額を引き出せるというトラブルが1日に生じたオーストラリアのシドニー(Sydney)で、警察は2日、不正に金銭を取得したとして若者2人を逮捕した。

 この18歳と20歳の男はこのトラブルにつけ込んで、銀行外の現金自動預払機(ATM)でお互いの口座間で金をやりとりし、不正に現金を取得した疑いがもたれている。

 警察は、ATMの故障と2人の逮捕とを関連づけてはいないが、ATMを通じて不正に金銭を得るのは犯罪行為だと市民に警告した。

 技術的トラブルが生じたのはコモンウェルス銀行(Commonwealth Bank)のATMで、インターネットのソーシャル・ネットワーキング・サイトを通じてこの情報が流れると、たちまち多くの人がATMに殺到し、シドニー市内の各支店前に列ができた。

 このときの様子についてある薬局の店主は、地元紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に「みんな『金がもらえる、金がもらえる』と叫びながら、わたしを追い越して行った」と語った。
 
 実際にATMから金を引き出した人たちによると、入力した金額よりも多い金額が引き出せただけでなく、自分の口座残高よりも多い金額も引き出せたと言う。

 しかし警察は、これに乗じて不当な金銭を得た者は追跡され、返金を要求されると強調した。警察の詐欺取り締まり担当部署の責任者は「手にした金を取得する権利がないと自覚している場合は特に、ただちに犯罪行為を犯しているとみなされる」と警告している。(c)AFP