【3月3日 AFP】ユダヤ人差別的な暴言で「クリスチャン ディオール(Christian Dior)」を解雇されたデザイナーのジョン・ガリアーノ(John Galliano)氏について、仏パリ検察当局は2日、 同氏を人種差別的侮辱罪ないし宗教的侮辱罪で訴追する方針を発表した。公判は4月~6月に開かれる予定という。

 検察は声明で「3人からの被害届を受けて捜査した結果、出身や信仰に基づいて公共の場で個人を侮辱した容疑でジョン・ガリアーノを刑事訴追する」と発表した。有罪なら、最大で禁錮6月と罰金2万2500ユーロ(約250万円)を言い渡される可能性がある。

 ガリアーノ氏は前月25日、パリ市内のカフェで酒に酔ってカップルに対しユダヤ人差別的な発言で侮辱したとして、警察に一時身柄を拘束された。ガリアーノ氏はユダヤ人差別を強く否定したが、その後、前年10月に同氏から同様の差別発言を受けたという別の女性が現れ、28日には同氏が誰かに向かって「ヒトラーが好きだ」と暴言を吐いている動画が英大衆紙「サン(The Sun)」の公式サイトに掲載された。

 こうしたなか、ガリアーノ氏は2日、自身の行為について謝罪を表明した。ただ、ユダヤ人差別については「私は反ユダヤ主義者ではない」と否定し、被害届を出したカップルを逆に名誉毀損で訴える手続きに入っている。(c)AFP

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