【2月21日 AFP】国土の大半が海抜1メートル未満の環礁にある太平洋の島しょ国、マーシャル諸島で19~20日、1.67メートルの異常潮位により首都マジュロ(Majuro)の一部が冠水した。研究者は、今後も海面上昇が続けば「頻度・規模ともに被害が拡大する」と警告している。

 マーシャル諸島における海面上昇について研究する米ハワイ大(University of Hawaii)の海洋学者、マレー・フォード(Murray Ford)氏によると、周辺ではラニーニャ現象により最近数か月にわたって海面が最高15センチ上昇していることが、マジュロに設置された海面水位の長期的な変化を計測する機器で観測されていた。

 フォード氏は冠水被害について、「現在は年に数回だが、今後は頻度も増え、規模も拡大し続けるだろう」と警告した。

 マーシャル諸島は前年末、マジュロ市の周囲に防水壁を建設して、海面上昇から首都を守る計画を発表した。マジュロには国民5万5000人の半数が暮らすが、過密化により海岸線から2、3メートルの地区にも家屋が建てられており、満潮時の被害の危険性をいっそう高めている。(c)AFP