【1月15日 AFP】23年間続いた強権体制が崩壊し、ジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)大統領(74)が国外脱出したチュニジアで15日、暫定大統領に、14日から大統領の職務を代行していたモハメド・ガンヌーシ(Mohamed Ghannouchi)首相ではなく、フアド・メバザア(Foued Mebazaa)下院議長(78)が就任した。

 憲法評議会は2か月以内に大統領選挙を実施すると宣言した。

 メバザア暫定大統領は、「より大きな国益のためには挙国一致内閣が必要だ」と述べ、これからは「ひとりの例外もなく」すべてのチュニジア国民が国政に参加できるよう政治を開放すると宣言した。

 ベンアリ政権下で禁止されたイスラム系政党の党首はAFPの取材に対し、帰国を検討していると語った。
 
 チュニジアは14日以降、非常事態を宣言し、あらゆる集会が禁じられ、厳格な夜間外出禁止令が敷かれている。

 首都チュニス(Tunis)では店舗や住宅からの略奪や破壊、主要駅への放火などが続いたことから周辺には兵士と戦車が動員された。抗議行動を行わせないよう治安部隊によって封鎖され、人けがほとんどなくなった中心部では時折、銃声がこだましている。

 チュニジアでは、生計を頼っていた野菜売りを警官に禁じられた若者が自殺したことをきっかけに前月始まった抗議行動が拡大し、失業や貧困、政権中枢のエリート層の腐敗などに対する民衆蜂起に発展し、同国を23年間支配したベンアリ大統領は15日、サウジアラビアへ脱出した。(c)APF/Dario Thuburn

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