【1月10日 AFP】バングラデシュのダッカ証券取引所(Dhaka Stock ExchangeDSE)で10日、取引開始からおよそ1時間後に株価が9.25%急落して取引が停止された。証券取引所前には損失を出した投資家たちが集まり警官隊と衝突した。

 ダッカ市場の主要指数DGENDhaka Stock Exchange general index)は2010年に80%上昇し、12月5日に8918.51の最高値を記録した。しかし、この3週間は下落を続け27.4%下げている。10日は1日の下げ幅としてはダッカ証券取引所55年の歴史の中で最大の下げ幅を記録したが、専門家の多くは市場に必要な調整だったと分析している。

 証券取引所前に集まった投資家らは、政府と市場規制当局者に抗議するスローガンを叫んだ。ある投資家はAFPの取材に「1000万タカ(約1200万円)投資して500万タカ(約600万円)も失った。めちゃくちゃだ。貯蓄がすべて無くなった」と語った。

 警察関係者によると投資家約5000人が証券取引所前に集まり、一部が家具を燃やすなど政府施設の破壊を始めたため警官隊が警棒で対応したという。最近の株価下落で抗議デモが相次いでおり、レンガで警官隊が襲撃されたこともあった。同様の騒ぎはダッカ以外の都市にも広がりつつある。

 バングラデシュは世界でも貧困国のひとつだが、過去8年間は平均年6%の経済成長を遂げてきた。(c)AFP/Cat Barton