【1月8日 AFP】「うちのおじいちゃんは、あとどのくらい長生きできるんだろう?」――余命の長さは、高齢者の歩く速さに注目すれば分かるとする研究が、5日の米国医師会雑誌(Journal of the American Medical AssociationJAMA)に発表された。

 1986~2000年の間に発表された9つの研究を米ピッツバーグ大学(University of Pittsburgh)のチームが分析した結果、65歳を超えた高齢者の予測生存率は、歩行速度と強い相関関係があり、年をとった人の間では歩く速度が速いほうが余命が長かった。

 すべての研究とも、起立した状態から自分のいつものペースで歩いてもらったもので、歩行距離は2.4メートルから6メートルとばらつきがあるが、計3万4485人の対象者の平均歩行速度は毎秒0.92メートルだった。しかし6~21年間の生存率を分析した結果、歩行速度の速い人のほうがその後の余命が長かった。

「毎秒1メートルかそれ以上の速さで歩く人は、その人と同じ年齢層、性別ごとに予測される場合よりも長生きしていた。この高齢者層グループの中では、すべての年齢グループで歩行速度と余命の長さに相関関係があった」という。

 報告は「歩行にはエネルギー、動きの制御、支持などが必要で、また心臓や肺、循環器、神経、筋骨格系といった多くの臓器系にそれが求められる。歩行速度の低下は臓器系の障害と、歩行に多くのエネルギーが必要なことの両方を反映している」と指摘している。

 研究チームによると、歩行速度と生存率の関係はすべての年齢層、性別に同じことが言えるが、特に75歳以上では顕著なことが確認された。(c)AFP