【12月21日 AFP】北朝鮮を訪問した米国のビル・リチャードソン(Bill Richardson)ニューメキシコ(New Mexico)州知事は21日、北朝鮮が韓国との緊張緩和に向かうという「正しい方向」へ進みつつあると評価しつつ、そのことを「言葉ではなく行動で示すべきだ」と語った。

 米国の元国連大使で、対北朝鮮交渉の経験も豊富なリチャードソン知事は、北朝鮮による韓国・延坪島(Yeonpyeong)の砲撃を受け、事態の沈静化を目指して16日から北朝鮮の平壌(Pyongyang)を訪問していた。

 北朝鮮への訪問を終え、北京(Beijing)の空港に到着したリチャードソン氏は、北朝鮮側は「交渉にあまりにも否定的になりすぎたことや、非常にまずい行動をとってしまったことを自覚し、正しい方向に向かいたいと思っているように感じた」と語った。

 また、20日に韓国が延坪島で実施した実弾軍事訓練への北朝鮮の対応に触れ、「報復行動をしなかったことで一定の現実主義を示した」と述べた。

 その上でリチャードソン氏は「北朝鮮はわたしの提案に同意した」と述べ、「北朝鮮は言葉だけでなく行動で示さなければならない」「いまは、すべての勢力が平静を保つべきときだ」と語った。

■北朝鮮、IAEA受け入れを表明

 リチャードソン氏は20日に、北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)の監視団の受け入れと、北朝鮮と米韓の3か国で韓国と北朝鮮の境界水域を監視する軍事委員会の設置を検討することに同意したと発表していた。またニューメキシコ州知事室を通じて、北朝鮮が「韓国など第三国への未使用核燃料棒の売却について交渉を開始することにも同意したと発表していた。

 リチャードソン氏は21日、北朝鮮が「寧辺(Yongbyon)のウラン濃縮施設にIAEA監視団を受け入れ、高濃縮ウランを製造しておらず、施設が平和目的であることを示す」ことを約束したと語った。(c)AFP