【12月13日 AFP】スウェーデンの首都ストックホルム(Stockholm)の繁華街で11日に起きた連続爆発事件で12日、イスラム武装勢力系ウェブサイトが実行犯とする男の氏名と顔写真を公表した。この男について英国メディアは、一時英国に住んでいたと報じており、英警察当局も13日、反テロリズム法に基づいて捜査を開始した。

 イスラム教のジハード(聖戦)を奨励する「シュムク・イスラーム(Shumukh al-Islam)」は、「われらが兄弟、ムジャヒディン(イスラム聖戦の戦士)タイムール・アブデル・ワハブ(Taymour Abdel Wahab)は、ストックホルムにおける作戦で殉死を遂げた」との文章とともに、サングラスをかけたワハブ容疑者とされる男の写真を掲載した。

 一方、英国各紙によれば、ワハブ容疑者はイラク生まれのスウェーデン人で、年齢は20代後半。ロンドン北部近郊のルートン(Luton)にあるベッドフォード大学(University of Bedfordshire)でスポーツ・セラピーを学び、最近まで数年間、同地で生活していた。妻と2人の娘がおり、家族は現在もルートンに住んでいるという。

 英紙テレグラフ(Telegraph)は、ワハブ容疑者は1992年にバグダッド(Baghdad)からスウェーデンに移住し、2001年に留学のため渡英したと報じた。

 同紙は、「(ワハブ容疑者は)口数は少なかったが、人は良さそうだった。子どもと一緒に歩いているのを、よく見かけた」という地元タクシー運転手の証言や、つい半月ほど前にワハブ容疑者をルートンの自宅で見かけたとの近隣住民の証言を伝えている。

 ロンドン警視庁は13日、2000年に発効した反テロリズム法に基づきルートンのワハブ容疑者の自宅の捜査令状をとり、捜査を開始したと発表した。これまでのところ、逮捕者や押収された危険物などはないという。(c)AFP

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