【12月10日 AFP】ケニア東部のウカジ・ヒル(Ukazi Hill)の岩場で、世界でも極めて珍しい「毛むくじゃらの」ハエが約60年ぶりに再発見されたと、科学者グループが8日発表した。

 このハエが過去に採集されたのは1933年と1948年の2回だけで以来、目撃証言が途絶えていたこともあり、科学者らは声明で「世界中の昆虫博物館が喜びにわいている」と述べた。

 このハエ(学名:Mormotomyia Hirsuta)は、洞窟(どうくつ)状になった岩の裂け目の中で発見された。「見た目はクモのようで奇妙な風体。体は比較的大きく、オスの脚の長さは伸ばすと1センチ以上ある。全身黄色い毛で覆われており、目は小さく、役立たずの羽を持っている」と表現されている。

 このハエは飛行できないため、生息地はウカジ・ヒルの小さなエリアに限られている可能性が極めて高いという。

 研究を率いたナイロビ(Nairobi)の国際昆虫生理生態学センター(ICIPE)のロバート・コープランド(Robert Copeland)博士は、「(生息地がウカジ・ヒルに限られる場合)ウカジ・ヒルが国家遺産に指定されて適切な保護活動が行われるのが望ましい」と話している。(c)AFP