【12月7日 AFP】ノーベル文学賞(Nobel Literature Prize)を受賞するペルーのマリオ・バルガス・リョサ(Mario Vargas Llosa)氏(74)は6日、授賞式が行われるスウェーデンのストックホルム(Stockholm)で会見し、内部告発ウェブサイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」について見解を述べた。

 バルガス・リョサ氏は、「(ウィキリークスに対する)わたしの意見は矛盾したものだ」と前置きした上で、次のように続けた。

「一方では、透明性はすばらしいことだと思う。すべてが白日のもとにさらされることで、われわれは陰謀や策略、うそから守られることになる。もう一方で、すべてが白日のもとにさらされ、あらゆるかたちの機密やプライバシーがなくなるとしたら、国家は果たして機能できるのだろうか」

「端的に言えば、国家は非常に脆弱(ぜいじゃく)になり、民主主義の根幹である機構そのものが危機にさらされることになるだろう」

 全体主義体制への批判を展開し、ペルーの大統領選に立候補したこともあるバルガス・リョサ氏は、こうした内部告発に対して「最も民主主義の進んだ国家が最も脆弱」な一方で、「(開放性の無い体制を敷く)独裁国家が安泰である」という事実は「逆説的だ」とも付け加えた。(c)AFP