【11月29日 AFP】洞窟に住む目のない魚、卵からかえった子どもを背中で育てるカエル――フランスの開発研究所(Institute of Research and DevelopmentIRD)の研究チームがこのほど、インドネシア東部パプア(Papua)州で発見した新種の生物を発表した。

 生物学者、古生物学者、考古学者などで作る研究チームは、ニューギニア(New Guinea)島レングル(Lengguru)の洞窟や地下河川、ジャングルなど、何百万年も前から外界から隔絶された環境で生物たちが進化してきた「石灰岩の迷宮」を7週間かけて調査した。

 研究チームの1人、ローラン・プヨー(Laurent Pouyaud)氏は「アクセスの難しいこの地域ではまだ、生物の調査がほとんど行われていない。だが、非常に生物多様性に富んでいる」とAFPに語った。

 今回初めて調査が入った洞窟では、目と色素のない魚が見つかった。プヨー氏によるとパプアで洞窟に住む魚が見つかったのは初めてとみられる。

 また、洞窟からは壁画や貝殻で作られた道具も見つかり、考古学者らを驚かせた。人類が約4万年前にアジアからオーストラリア大陸に移動した説の新たな証拠になるという。

 この研究は、インドネシアの海洋・水産省と科学研究所(Institute of Sciences)と共同で新たに始まったパプア州の生物多様性を調べるプロジェクトの一環。プヨー氏によるとパプアでは、プランテーションの拡大計画や鉱山によって生物多様性が脅かされているという。(c)AFP