【11月16日 AFP】米グーグル(Google)の次期携帯電話に電子決済機能が搭載され、人びとが「タップで決済」することができるようになる、と同社のエリック・シュミット(Eric Schmidt)最高経営責任者(CEO)が15日、発表した。

 グーグルの多機能携帯電話(スマートフォン)「ネクサス・ワン(Nexus One)」の次世代機種は、基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」の次期バージョン「ジンジャーブレッド(Gingerbread)」で動作し、電子決済のための短距離無線通信規格「NFC」のチップを搭載する。

 米サンフランシスコ(San Francisco)で開かれた「Web 2.0サミット(Web 2.0 Summit)」に登場したシュミット氏は、「未発表の製品がいま手元にあるんだ」と切り出し、「この携帯端末は商取引ができる。いずれはクレジットカードを置き換えるものになる。業界では『tap and pay(タップで決済)』と呼ばれているものだ」と述べた。

 NFCチップには個人情報が格納され、携帯端末をタップすることで店のレジなどに設置されたリーダー機器と通信する。製造したメーカーについては、シュミット氏は「未発表の製品」と述べるだけで明らかにしなかった。

■「タップで決済」でネクサス・ワンの雪辱なるか

 グーグルのネクサス・ワンは、台湾の電子機器大手「宏達国際電子(High Tech ComputerHTC)」と共同開発され、急拡大するスマートフォン市場に1月に投入された。

 しかし、アンドロイドプラットフォームで動作するネクサス・ワンはその性能が高く評価されたものの、ヒット商品にはならなかった。

 当初グーグルは、ネクサス・ワンをオンラインストアだけで販売。携帯電話はたいてい特定の通信キャリアとセットで販売されるが、ネクサス・ワンをキャリアとセットにせず、キャリアからの補助金無しで販売するという独自の販売方針を目指していた。

 現在はオンライン販売を終了し、小売店での販売方針に変更している。(c)AFP/Glenn Chapman