【11月5日 AFP】ユニセフ(UNICEF)の統計によると、ナイジェリアには栄養失調の5歳未満児が700万人いる。国別では、インド、中国に次いで多い。

 ナイジェリア国内では北部で特に深刻だ。北東部には、5歳未満児の42%が栄養失調という地域もある。

 要因には、サハラ砂漠に近いため暑く乾燥した気候のほかに、さまざまな文化的要素があるという。北部の4州で栄養失調に関するユニセフの調査に携わっている専門家によると、最大の要因は継続的に母乳が与えられていないことだという。

 通常、生まれたばかりの赤ちゃんには(母乳ではなく)悪霊をはらうための「聖水」が与えられる。新生児にとって極めて重要とされる初乳は「有毒」とされ、誕生後丸々3日間母乳を与えないケースもあるという。また、発熱や黄だんが見られる赤ちゃんには、薬草を調合したものを服用させるという。

 さらに、農村部では母親が出産後すぐに仕事に復帰する傾向があり、授乳する時間がほとんどない。子どもが口にする水も不衛生なことが多い。

 保健衛生の担当者らは、母親教育が必要であり、政府も何らかの対策を打つべきだと話している。(c)AFP/Aminu Abubakar