【11月2日 AFP】アイスランドのグリムスボトン(Grimsvoetn)火山に噴火の兆候が現れていると、同国の専門家が1日に明らかにした。グリムスボトン火山は、アイスランドで最も活発な火山活動を続ける火山の1つだ。

 アイスランド気象当局の専門家によると、アイスランド東部バトナヨークトル(Vatnajoekull)氷河の近くを流れるGigja川で10月31日夜から1日にかけて水位が3倍にも上昇した。火山の温度が上がり、火口湖とその周辺の氷河で氷が大量に溶け、火口湖からあふれた水が流れ込んだためとみられる。

 火山の上にある氷が溶けると、火山を押さえつける圧力が弱まって噴火しやすくなるという。2004年にも今回と同様に河川の水位が上昇し、そのすぐ後にグリムスボトン火山が噴火した。

 火山が噴火するにはマグマが大量に溜まっていることが条件となるため、川の水位上昇だけでは噴火が起きるかどうかを確実に知ることはできないが、グリムスボトン火山付近では直近の48時間に活発な地震活動を記録している。

 アイスランドでは4月、エイヤフィヤトラヨークトル(Eyjafjallajokull)氷河の火山が噴火して欧州の空の交通が大混乱に陥ったことは記憶に新しいが、アイスランド当局はグリムスボトン火山が噴火した場合の欧州航空網への影響については、1日の段階では予測できないと説明している。(c)AFP