【10月21日 AFP】同性愛者であるためにいじめを受けた若者の自殺が最近相次いだ米国で、ゲイやレズビアンの少年少女を励ますために始められたインターネット上の動画投稿キャンペーンが、数百万回のアクセスを呼ぶ大ヒットとなっている。

 きっかけは9月末、米シアトル(Seattle)に住むゲイのカップルが、「イト・ゲッツ・ベター(It Gets Better、物事は良くなるの意)・キャンペーン」と称し、いじめなどに遭っている同性愛者の若者たちに、「現在はどんなに苦しい人生でも、将来は必ず良くなる」と語りかけようと、インターネット上に現在の自分たちの様子を撮影したビデオを投稿したことだった。

 このビデオに返信する一般の人の投稿の輪が何百人にも広がり、20日には支援を示して紫色を着る「ウェア・パープル・デー(Wear Purple Day)」が呼び掛けられるほどに広がった。ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官やブロードウェー(Broadway)のスターたちも共感し、投稿に加わった。
 
 クリントン長官はビデオの中で、最近の同性愛者の若者の自殺に触れつつ、こう呼び掛けた。「いじめられている若い人たち、ひとりぼっちだと感じ、より良い未来があるなんて信じられないと思っている若い人たち全員に言葉を贈ります。くじけないで、助けを求めてください。あなたの命はとても大事なのです」

 同性愛の若者の相談を受け付ける24時間ホットラインを運営している米ボランティア組織、トレバー・プロジェクト(Trevor Project)によると、米国では異性愛者の若者に比べて、同性愛者の若者が自殺する確率は4倍高い。

 最近では、ゲイ同士のラブシーンを同級生に撮影され、インターネット上で公開された大学生が、ニューヨークのハドソン川に投身自殺した。(c)AFP

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【参考】It Gets Betterのサイト(英語)