【10月17日 AFP】中国河南(Henan)省中部、禹州(Yuzhou)の炭鉱で16日発生した事故により坑内に閉じ込められたとみられ、行方不明となっている作業員11人の安否について救助隊は17日、ガス漏れを生き残った見込みはほぼないとの見解を示した。

 炭鉱では前日、突然ガス爆発が発生し、作業員らが閉じ込められた。国営中国新聞社(China News Service)は、行方不明となっている11人を発見するまでには3~4日かかるとする救助関係者の談話を報じた。

 また、この関係者が新華社通信に語ったところによると、行方不明者は、ガス漏れの後に坑内に充満した2500トンを超える炭塵に生き埋めになり、窒息した可能性が高い。

 一方、チリのサンホセ(San Jose)鉱山で、地下約700メートルに約2か月間閉じ込められていた作業員33人の救出に成功した直後のセバスティアン・ピニェラ(Sebastian Pinera)チリ大統領は、自国の経験を生かしてほしいと中国に支援を申し出た。

 救助隊によると、行方不明になっている作業員たちは、坑道の入り口の地下50~80メートル付近にいたが、炭塵がひどく、なかなかたどり着けないという。

 中国では腐敗した鉱山経営者が経費削減から安全規則を無視する傾向が広く見られ、事故が頻繁に起こっており、鉱山事故による09年の死者は公式の記録だけで2631人に上った。政府は危険な鉱山の閉山と、安全性の向上を約束しているが、エネルギー資源の7割を石炭に頼る中、早いピッチで作業が進められる一方で、改善は遅々として進んでいない。(c)AFP