【10月12日 AFP】国連(UN)の生物多様性条約に関する一連の国際会議が11日、名古屋市で開幕した。

 18日に始まる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に先立ち、11日から5日間の日程で開かれたカルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)の開会式で鹿野道彦(Michihiko Kano)農相は、かつてない速度で生物の多様性が失われていると指摘し、次の世代に豊かな多様性を引き継ぐことが、われわれの使命だと力説した。

 「MOP5」には190を超える国・地域・非政府組織が参加し、輸入した遺伝子組み換え生物が輸入国の生物多様性に被害を与えた場合に、輸入国が輸出側の企業や国に補償を要求できると定めた補足議定書を採択する見通し。

 193か国・地域が参加する「COP10」では、天然資源に関する公平な利益配分を協議し、主に人類活動の影響で急速に姿を消しつつある動植物種を保存するための新たな目標設定をめざす。

 国際自然保護連合(International Union for the Conservation of Nature and Natural ResourcesIUCN)によると、これまでに発見された生物のうち、哺乳類の21%、両生類の30%、鳥類の12%が絶滅の危機にある。

 生物学者らも、野生生物の生息地の破壊が、空気や水を浄化する役割を果たし、気候の安定や食糧生産にも不可欠な生態系の破壊につながっていると警告している。(c)AFP