【9月26日 AFP】(一部訂正)同じ男性をめぐる「恋のライバル」であるスカイダイビング仲間のパラシュートに細工し、墜落死させたとして、ベルギーで起訴された女性教師の裁判が24日始まった。

 エルス・バン・ドーレン(Els Van Doren)さん(38)を殺害したとされるエルス・クロッテマンス(Els Clottemans)被告(26)の裁判は、今後1か月にわたりベルギー北東部トンヘレン(Tongres)の裁判所で行われる。

 宝石商の妻で3児の母である被害者のバン・ドーレンさんと、クロッテマンス被告は、ふたつの情熱を共有していたとされる。スカイダイビングと1人の男性、マルセル・サマーズ(Marcel Somers)氏への思いだ。

 バン・ドーレンさんはスカイダイバーとしてベテランだったが、2006年11月18日のダイビング中にパラシュートが開かず、住宅の庭に墜落して死亡した。捜査の結果、バン・ドーレンさんのパラシュートには開かないように細工がされ、2本の紐が切られていた。

 事故があった日は、仲間のスカイダイバー12人で1機のセスナ機に乗り込み、4人1組でダイビングをしていた。バン・ドーレンさんと被告、そして2人の女性と関係をもつサマーズ氏はもう1人の男性と4人でフォーメーションを作る予定だったが、クロッテマンス被告が飛び降りるのに遅れたため、残りの3人でフォーメーションを作った。  

 しかし、3人が手を離してそれぞれ着地しようという段階になって、バン・ドーレンさんのパラシュートが開かなかった。

 07年1月、クロッテマンス被告は逮捕された。

 警察によると、「死のダイビング」の1週間前、被告とサマーズ氏が一夜を過ごそうとしていたところへ、バン・ドーレンさんも現れた。

 その晩、サマーズ氏は若い愛人、クロッテマンス被告を捨て、バン・ドーレンさんと過ごすことを選択した。サマーズ氏の部屋から追い出されたクロッテマンス被告は、リビングルームで寝ることになったという。バン・ドーレンさんはこのリビングルームにパラシュートを置いたままだった。

 クロッテマンス被告は、自分が嫉妬から殺意をもったという考えに捜査陣がとらわれていると反論し、証拠も目撃者もおらず、自白もしていないとして犯行を否認している。(c)AFP