【9月24日 AFP】コロンビアの左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)」の司令官が、コロンビア軍の軍事作戦により死亡したと、同国国防省高官が23日明らかにした。

 当局によると、特殊部隊を含む800人規模のコロンビア軍部隊が早朝にメタ(Meta)県のFARC拠点を襲撃。FARC軍事部門司令官のホルヘ・ブリセーニョ・スアレス(Jorge Briceno Suarez)司令官(57)を含むFARCメンバー20人以上を殺害した。

 国連総会(UN General Assembly)出席のためニューヨーク(New York)を訪問中のフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)コロンビア大統領は、FARCに対する大きな勝利だと述べた。

 FARCは、コロンビアで約50年近い歴史を持つマルクス主義派武装勢力。サントス大統領は記者団に「(FARC掃討作戦の歴史において)最大の打撃を与えた。わが国のテロの象徴がついに倒れた」と語った。

 コロンビア政府高官によると、軍事作戦は「ソドム作戦(Operation Sodom)」と呼ばれ、コロンビア軍機72機の支援でFARCの主要拠点を特定したという。

■麻薬密売や殺人、誘拐などを主導

 政府高官によると、ブリセーニョ司令官は、コカイン数百トンの製造・密売を含むFARCの麻薬密売作戦で中核的な役割を果たしており、同司令官に対する容疑は、殺人や誘拐など数十件に上っていた。

 米国人3人の誘拐・拘束にも関与していたとみられている。米国人3人はジャングルの中に何年間も拘束された後、2008年7月に、イングリッド・ベタンクール(Ingrid Betancourt)元コロンビア大統領候補とともに解放された。

 米政府は、同司令官の拘束につながる情報に最高500万ドル(約4億2000万円)の懸賞金をかけ、コロンビア政府に対しても身柄の引き渡しを求めていた。

 FARCはコロンビア最大最古の左翼勢力で、戦闘員8000人がいるとされている。次に多いのは左翼ゲリラ「民族解放軍(National Liberation ArmyELN)」の約2500人。(c)AFP/Pablo Rodriguez