【9月21日 AFP】同性愛者の味方とされ、自らもバイセクシャルであることを公言している米歌手レディー・ガガ(Lady Gaga)さんが20日、同国メーン(Maine)州ポートランド(Portland)で行われた集会に出席し、同性愛者であることを公言して軍務に就くことを禁じた米軍の規定撤廃を訴えた。

 ガガさんやそのほかの活動家たちは同州の上院議員に対し、同性愛者の軍務に道を開く法案に賛成票を投じるよう求めている。

 ガガさんは、MTVビデオ賞の授賞式で物議を醸した「生肉」ドレスをにおわすかのように、「平等がアメリカのプライムリブなのに、私はゲイだからこの国の最高の肉を味わえずにいる」と集まった群衆に語りかけた。

 さらに「米軍の規定は間違っているし、不公平だから私はここに来た。この規定は私たちが米国民として支持しているものすべてに背いている」と訴えると、熱烈な拍手がわき上がった。

 ガガさんは、同性愛者が自分の性的指向をオープンにして軍務に就くべきではないという議論の理由として同性愛嫌悪を引き出すことを否定し、同性愛者の同僚が一緒では任務を十分に果たすことができないと主張する米兵たちと形勢を逆転させようと訴えた。

「この規定は後進的ではないか」とガガさんは群衆に問いかけ、「敵意も偏見も嫌悪もない同性愛の兵士が家に帰らされ、『同性愛嫌悪』の軍隊が任務に就いている」と意見を述べた。

「偏見を持たずに戦うこともできない、そんな尊敬に値しないような人間は家に帰れ!」

 20分のスピーチを終えたガガさんは、同性愛者であることを明らかにしたために任を解かれた米兵たちと抱擁を交わした。

 同性愛者の軍務に道を開く法案の上院の採決は21日に行われる。しかし、法案には反対しないが、十分な考察が必要だと考える共和党のジョン・マケイン(John McCain)氏が議事進行を妨害するとみられている。(c)AFP/Marcia Scott Harrison

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