【9月15日 AFP】12日に米ロサンゼルス(Los Angeles)で開催されたMTVミュージック・ビデオ・アワードの授賞式で8冠に輝いたレディー・ガガ(Lady Gaga)だが、授賞式で着用していた生肉ドレスが物議を醸している。

 動物愛護団体PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)は、「食肉に感動した人よりも動揺した人の方が多いということを、誰かが彼女の耳元でささやいてやるべきだ。肉は死にたくなかった動物が虐待され解体されたもので、照明の下で時間が経つにつれ、腐った肉の臭いを発し、うじ虫の中をはい回っているようなものだっただろう」と非難した。

 ガガ本人はのちに、菜食主義者でもあるエレン・デジェネレス(Ellen DeGeneres)のトーク番組に出演し、この衣装には「多くの解釈がある」と説明した。同性愛者であることを公言して軍務に就くことを禁じた米軍の規定に反対し、同性愛の米軍人を支援する意味もあるという。

「菜食主義者を見下しているわけではない。私たちが信じるもの、そして私たちの権利を守るために闘わなければ、すぐに私たちの骨についた肉ほどの権利しか持てなくなる。私は一片の肉じゃない」

■米紙は酷評、評価する声も

 ガガのこの説明にどんな意味があるにせよ、評判は良くなかったようだ。米紙ニューヨーク・デーリー・ニューズ(New York Daily News)は「レディ・タルタル、ウシさんの服着て参上」と書き立て、ニューヨーク・ポスト(New York Post)は「ゴリー(gory、血みどろの)ガガ」と報じた。

 しかし誰もが気分を害したわけではない。

 この衣装をデザインしたフランク・フェルナンデス(Franc Fernandez)氏は、その写真をブログに掲載。ファンは「ほかの人よりも優れている」などとコメントし、デザインをたたえた。

 授賞式の壇上で間近に衣装を見たシェール(Cher)も絶賛。「体にフィットさせたカットは素晴らしい。肉のバッグも天才的。見事なアート。道徳的判断は必要ない」とツイッターでつぶやいている。(c)AFP/Sebastian Smith

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【参考】フランク・フェルナンデス氏のブログ