【9月3日 AFP】米国では女性の収入が男性の収入を下回る時代が長らく続いていたが、今やごく一部ではあるが、男性の収入に追いつき、追い抜く女性も現れている。ニューヨーク(New York)の戦略・リサーチ会社Reach Advisorsが3日までにこのような報告書を発表した。

 国勢調査データなどを分析した結果、収入が男性と同等か上回っている女性について、「20代シングル、子どもなし、大都市に居住、フルタイムで勤務」という女性像が浮かび上がった。

 こうした女性の収入は、同年代の男性の収入を平均で8%上回っていた。アトランタ(Atlanta)、メンフィス(Memphis)などの一部の都市では、約20%も上回っていた。

 フルタイム勤務の女性全体で見ると、平均収入は男性の収入の約80%の水準にとどまった。

■背景に学歴の逆転現象

 報告書は、若いシングルの女性の収入が男性を上回る傾向にある理由について、「高学歴」を挙げている。

 高校を卒業して大学に進学する人の割合は、男性が65%程度であるのに対し、女性は約75%。大学を卒業して大学院に進む女性の割合は、男性の1.5倍だ。

 修士号・博士号取得者における男女の比率は、2000年に女性が58%となり、初めて男性を上回った。 

 女性が高学歴になるにつれ、女性の結婚離れや出産離れが進んでいる。一方で、家を買うことには躊躇(ちゅうちょ)していないようだ。シングル女性のうち初めて家を購入した人の割合は、1990年代から2009年までに50%も増加した。2009年に初めて家を購入した人全体に占めるシングル女性の割合は24%だった。

 なお2009年、全世帯のうち子どもがいる世帯はわずか23%だった。

■女性はスポーツにも積極的に参加

 若くお金も持っている女性たちは、ファストフード店でヘルシー志向の利益率の高いメニューが拡大する傾向の立役者だ。ここ10年でスポーツ産業が活況を呈しているのも、こうした女性たちのおかげだという。

 例えば市民ランナーの人口は過去10年で41%も増加した。全スポーツ人口の増加分の93%は女性が占めている。

 若い男性はと言うと、ファストフード店では大半が、日本で言う「100円マック」のような低価格メニューを注文している。スポーツ参加率もほぼ横ばいだという。(c)AFP/Karin Zeitvogel