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「ベルサイユ宮を冒とく」、村上隆氏作品展に反対運動

2010年8月30日 15:02 発信地:ベルサイユ/フランス

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「ベルサイユ宮を冒とく」、村上隆氏作品展に反対運動
パリ(Paris)郊外のベルサイユ宮殿(Chateau of Versailles)の「鏡の間」に立つ村上隆氏(2010年6月8日撮影)。(c)AFP/FRANCOIS GUILLOT
【8月30日 AFP】パリ(Paris)郊外のベルサイユ宮殿(Chateau of Versailles)で9月から開催される現代芸術家の村上隆(Takashi Murakami)氏(47)の作品展に対し、仏保守系団体などからフランスの歴史を冒涜(とく)するものだとの批判が噴出している。

 作品展の会期は9月14日~12月12日。銀やファイバーグラス、金属などで作られた目を引き付けるカラフルな像が、宮殿の豪華な壁画やシャンデリアを背景に展示される。

 村上氏はベルサイユ宮殿美術館のウェブサイトで、同宮殿は西洋史の偉大な象徴の1つだと指摘。「わたしのイマジネーションの中のベルサイユは、完全に分離された非現実的な世界のようなものになった」と述べ、作品展ではそれを表現しようと試みたと説明している。

■ひわいな題材に「NON!」

 しかし、ベルサイユ宮殿の熱心なファンの間からは、宮殿に対する侮辱だとの声が上がっている。

「ベルサイユ、わが愛(Versailles Mon Amour)」を名乗る団体は、「ベルサイユ宮殿にはムラカミとその会社の居場所はない!」とのメッセージをウェブサイトに掲載し、作品展開催に反対する署名集めを展開。すでに3500人以上の署名を集めたと主張している。「宮殿は広告板ではなく、われわれの歴史と文化の象徴だ」

 マンガ的でカラフルな村上氏の作品は、ときに不謹慎で、ときに陽気なまでにひわいな題材を扱い、世界的にカルト的な人気があるが、誰もに受け入れられるタイプのものではない。代表作には、胸の大きな少女が自分の母乳で縄跳びをする『HIROPON』(1997年)や、裸の青年が自分の精子の新しい使い方を見つける『My Lonesome CowBoy』などがある。

 これら2作品はベルサイユ宮殿美術館の作品展には出展されないが、署名運動の発起人である地元の文芸評論家アンヌ・ブラッシー(Anne Brassie)氏はこの2作品を例に挙げ、村上氏にベルサイユで作品展を開く資格はないと論じている。

 また、4000人以上の反対署名を集めた別の愛国文化運動団体「ベルサイユ防衛協会(Coordination Défense de Versailles)」の代表は、作品展は「違法」だと主張している。

■超保守派の聖地、過去の作品展でも物議

 ベルサイユ宮殿美術館のジャン・ジャック・アヤゴン(Jean-Jacques Aillagon)館長はAFPに対し、反対運動は「極右団体や非常に保守的なグループの間で起こっている」と述べた。こうした団体は「ベルサイユ宮殿を(フランス革命前の)旧体制のフランス、近代社会に反対する内向きなフランスへのノスタルジアの詰まった聖地」として見ているのだという。

 同美術館は2008年から毎年、現代芸術家の作品展を開いており、村上さんは3人目。第1回のジェフ・クーンズ(Jeff Koons)氏の作品展の際にも、宮殿を建てたルイ14世(Louis XIV)の子孫の1人が、先祖を冒涜するものだとして作品展の開催中止を求めて訴訟を起こしたが、認められなかった。(c)AFP/Pascale Mollard-Chenebenoit

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