【8月9日 AFP】姦通罪で石打ちによる死刑を宣告されたイラン人女性の弁護人だった弁護士がノルウェーに到着し、8日、同国への亡命を希望していると語った。

 イランの人権弁護士、Mohammad Mostafaie氏は、トルコ経由でノルウェーに到着。到着後すぐにオスロ(Oslo)で記者会見を開く中、AFPの取材に応じ、「亡命を希望したといえるだろう」と語った。Mostafaie氏はすでにノルウェーに1年間滞在することのできる査証(ビザ)を取得しているが、亡命申請は、イランに残した妻と相談する機会が来るまで待つつもりだという。

 Mostafaie氏は、姦通罪で死刑宣告された2児の母、サキネ・モハマディ・アシュティアニ(Sakineh Mohammadi-Ashtiani)さんの弁護人だった。アシュティアニさんの有罪判決に対して欧米を中心に非難の世論が巻き起こったこともあり、7月初旬に執行されるはずだった死刑の執行は一時的に停止されている。

 Mostafaie氏は、イランで死刑を求刑された被告40人のうち18人の死刑判決を回避させた実績があり、イラン当局者からの圧力がどんどん高まっていたという。7月末にはついにMostafaie氏の逮捕令状が出たため、国外脱出せざるを得なくなったと語った。

 8日の会見でMostafaie氏は、自らの国外脱出がアシュティアニさんの死刑判決に及ぼす影響について、ほかの弁護人にすでに引き継いでいるので、悪影響を与えることはないだろうと語った。(c)AFP/Bjoern Lindahl

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