【8月4日 AFP】(写真追加)レバノンとイスラエルの国境地帯で3日、両国軍による交戦があり、兵士ら4人が死亡した。

 軍事衝突は同日正午ごろ、レバノン南部アデイサ(Adaysseh)付近で発生し、戦闘は断続的に4時間あまり続いた。両軍それぞれの発表によると、レバノン軍兵士2人と記者1人、イスラエル軍中佐1人が死亡。レバノン軍兵士15人、イスラエル軍将校1人が負傷したという。

 今回の交戦は、2006年に起きたレバノンのイスラム教シーア(Shiite)派組織ヒズボラ(Hezbollah)とイスラエル軍との戦闘以降、最大規模の軍事衝突となった。

 両軍とも交戦の原因は相手側にあると主張しているが、レバノン軍は先に攻撃を開始したことを認めている。レバノン軍が制止を求めたにも関わらず、イスラエル軍の監視軍車両が国境フェンスを超えてきたためだという。

 これに対しイスラエル側は、イスラエル領内を巡回していた部隊に対しレバノン軍が攻撃してきたと主張している。レバノン軍は、国境沿いの木を監視カメラ設置のため伐採したいというイスラエル側の申し出について数日前から国連暫定軍と協議していたとしている。

 レバノン側は、今回の衝突について国連安保理に苦情申し立てを行う考えであることを明らかにした。

 一方、米国、国連(UN)、欧州連合(EU)は両国に対し自制を求めた。

 ヒズボラ指導者のハッサン・ナスララ(Hassan Nasrallah)師もヒズボラの兵士に報復などの行動は自粛するよう呼びかける一方で、このまま、手をこまねいて傍観することはないと警告した。

 ヒズボラが新たな戦闘に向けて武器の調達を進めているとの報道が流れてから、レバノンとイスラエルの国境地帯では緊張が高まっていた。(c)AFP/Ali Dia