【7月29日 AFP】スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州の議会は28日、闘牛を2012年1月1日から禁じる条例を賛成68、反対55、棄権9で可決した。

 可決の瞬間、議場には歓声が沸き起こった。闘牛は1991年にスペイン領カナリア諸島(Canary Islands)で禁止されているが、スペイン本土で禁止されるのは初めて。

 動物愛護団体は、他州もこれに追随するよう求めている。

 闘牛はスペインの国技とも言われ、闘牛士は英雄のように扱われてきた。だが近年は、若者を中心に、闘牛人気が急速な衰えを見せている。2007年のある世論調査では、国民の4人に3人が、闘牛には興味がないと回答した。

 同州では人気の低下が特に顕著で、州都バルセロナ(Barcelona)で稼働している唯一の闘牛場における前年のシーズンチケット保有者数は数百人程度。首都マドリード(Madrid)最大の闘牛場における2万人を大きく下回った。

 同州は、独自の言語と文化を持ち、スペインからの独立を求める声も多い。闘牛禁止条例は表向きは動物愛護のためとしているが、独自のアイデンティティーを強調する狙いがあるとの見方もある。(c)AFP/Marcelo Aparicio