【7月28日 AFP】単独世界一周航海の世界最年少記録を目指しながらオランダの児童保護当局の保護下に置かれていたローラ・デッカー(Laura Dekker)さん(14)について、オランダの裁判所は27日、保護期間の延長を認めない判断を下した。

 前年10月からローラさんを保護下におく児童保護当局は、ローラさんの保護期間をさらに2011年8月まで延長する申し立てを行っていたが、これが却下されたことで、ローラさんに再び最年少航海記録挑戦への道が開かれた。

 父親のディック・デッカー(Dick Dekker)さんとヨット生活を送っているオランダ南部ブローウェルスハーフェン(Brouwershaven)のヨットハーバーで記者会見に臨んだローラさんは、10か月におよんだ裁判に勝訴して晴れ晴れとした表情だった。

 ローラさんは、船での生活について「わたしは、ただ世界や異なる文化が見たい。そして、人生経験を豊かにしたい」と語り、「旅しているのが好き。1つの場所に長くはいられない性分なの」と付け加えた。

「航海は、わたしの人生そのもの。ヨットに乗った瞬間、わたしの中で何かが変わる。そして、生きていると実感できるの」と自身のブログに書きつづるローラさんは、生まれながらの船乗りだ。

 ローラさんは、両親(後に離婚)が7年間の計画でヨット航海中だった時にニュージーランドで生まれた。生まれてから4歳までを海の上で過ごした。4歳で初めて舵を取ったという。

 初めての単独航海は11歳。オランダ北部フリースラント(Friesland)まで6週間をかけてヨットで航海した。

 ローラさんの愛船、全長11.5メートルの小型ヨット「グッピー(Guppy)」号について、「わたしの第2の家で、かけがえのない存在」とブログで語っている。

 他人からは頑固だと言われるという自分の性格については「自分自身で決断するし、やると決めたら実現するまでやりとげる」と評した。

 航海中は、インターネットで義務教育課程の知識・技能を習得するという。

 ローラさんは、14歳という年齢を人びとが心配する気持ちは理解できると述べながらも、単独航海を達成することで、「自分と同じ若者たちに、強い気持ちで臨めば夢を実現できることを示したい」と決意を語った。

 その一方で、メディアの過熱報道には首をかしげる。「わたしのような人間に、みんなが興味を持つなんて信じられない。わたしは、夢をもつ、ごく普通の人間にすぎないのだから」

(c)AFP

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