【7月27日 AFP】スペイン・バルセロナ(Barcelona)で26日、世界初の顔面完全移植手術を受けた男性が記者会見を行い、テレビカメラの前で、医師や顔面を提供したドナーの家族に感謝の言葉を述べた。

 この男性は、31歳のオスカーさん。オスカーさんは、口を閉じることができず顔全体も腫れているように見え、相当困難な様子ながらも、「病院のコーディネーターや医療チーム、ドナーの家族のみなさん、そして何よりわたしを支えてくれた家族に感謝したいと思います」と語った。

 オスカーさんは、首の傷を隠すためにスカーフを、額の傷を隠すために頭髪を前に下ろしていたが、医師はこれらの傷について将来的に全く目立たなくなるとしている。

 オスカーさんは5年前、銃の事故によって顔面を負傷し、物の飲み込みや呼吸、会話などが難しくなっていた。今年3月20日に、バルセロナのバル・ド・ヘブロン(Vall d'Hebron)病院で、30人の医療チームによって移植手術を受けた。

 24時間にもおよぶ手術で、新たな顔面筋や皮膚、鼻、唇、あご、歯、口蓋(こうがい)、ほお骨などが移植された。

 手術チームを率いた医師によると、オスカーさんは唇の中心を除いて顔面のほとんどで感覚を回復しているが、まだ流動食しか食べることはできない。両目を閉じることもできないが、すぐに閉じることができるようになるという。さらに、眉毛を動かすまでになっているほか、ほほ笑むこともできるという。(c)AFP/Marcelo Aparicio

【参考】会見の映像はこちらから(Youtube/AFPBB Newsチャンネル)