【7月23日 AFP】(一部訂正)バチカン市国でこのほど、2002年の欧州共通通貨ユーロ導入後初めて、ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)の肖像が刻まれた50セントユーロ硬貨の流通が始まった。キリスト教系通信社「I-Media」が22日伝えた。

 バチカン市国のユーロ硬貨は通貨導入以来8年間、コレクターアイテムとして存在するだけで、実際には流通していなかった。当初は05年に逝去したヨハネ・パウロ2世(John Paul II)の肖像が刻まれていた。

 現在、額面3.88ユーロ(約435円)のコレクター用セットの販売価格は30ユーロ(約3355円)だ。

 しかし前年、バチカンは発行通貨の51%以上を額面価額で流通させることで欧州連合(European Union)と合意。前週から、50セントユーロ硬貨の流通を開始したという。

 それでも依然、バチカン市国のユーロ硬貨に同国外でお目にかかるのは難しい。「I-Media」によると、今のところ硬貨が利用されているのはバチカン市国内のみ、それも1店舗ずつしかないスーパーやガソリンスタンドなど、50セントユーロ硬貨が一度に2枚以上使われることは滅多にない小売店の周辺にとどまっている。(c)AFP/Talek Harris