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水危機のアジアの未来、ADB総裁顧問が警告

2010年7月1日 13:00 発信地:シンガポール

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水危機のアジアの未来、ADB総裁顧問が警告
フィリピンの首都マニラ(Manila)のスラム街で雨水をペットボトルに集める子ども(2010年6月22日撮影)。(c)AFP/NOEL CELIS
【7月1日 AFP】現在アジアで起きている水問題を未解決のまま放置すると、将来のアジア全体の経済成長を後退させる恐れがある。アジア開発銀行(Asian Development BankADB)の総裁特別顧問がこのような警告を発した。

 黒田東彦(Haruhiko Kuroda)ADB総裁の下で、水とインフラ問題に関する特別顧問を務めるArjun Thapan氏はAFPとのインタビューで、水問題を悪化させないよう、各国政府は水資源の管理を始めなければならないと訴えた。

 現在、28日から7月1日までシンガポールで開催されている「国際水週間(Singapore International Water Week)」に出席している同氏は、「アジアが水危機にはまっていることは間違いない。時間が経てば状況はますますひどくなるだろう」と懸念を示し、アジアの水に関する需給ギャップは2030年までに40%に開くという推計は妥当だとの認識を示した。

 同氏によると、アジアで使用されている水の80%はかんがい用の農業用水で、これが不足すれば食糧供給に深刻な問題が生じる恐れがある。また10~15%は工業用水だが、農業でも工業でも水の使用効率は1990年から1%しか改善されていない。もしもこのまま問題を解決しなければ、アジアの経済成長を鈍化させると同氏は予測する。

 地域別に見ると、フィリピンの412の河川のうち50河川は生物が住めない状態になっている。首都マニラ(Manila)のマニラ湾(Manila Bay)とパシグ川(Pasig River)の浄化作業だけでも20~25億ドル(約1800~2200億円)が見込まれる。

 また中国、インド、フィリピンなどでは水の需要が供給を上回り、利用可能な水が1人当たり年間1700立方メートルを下回る「水ストレス」と呼ばれる状態におかれている。中国では黄河(Yellow River)のおよそ50%は水質汚染によって農業利用が不可能で、河北(Hebei)省などを流れる海河(Hai River)流域の地表水の50%以上はどんな利用にも適さない状態だという。

 同氏は「水ストレスはすでに深刻で、各国政府と地域社会が真剣に対策に乗り出さない限り、さらに厳しい状況に追い込まれる」と警鐘を鳴らした。(c)AFP/Martin Abbugao
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