【6月23日 AFP】モロッコのアガディール(Agadir)で行われている国際捕鯨委員会(International Whaling CommissionIWC)の年次総会で22日、日本とアイスランドは、両国が大きな譲歩の姿勢を示しているにもかかわらず、反捕鯨国側は妥協を拒んでいるとして非難した。

 日本代表団の報道担当者、グレン・インウッド(Glenn Inwood)氏はさらに、虚言を流布し、世論を操作しているとして、環境保護団体を批判した。

 総会では、24年間にわたって実施されている商業捕鯨モラトリアム(一時停止)を10年間中断する代わりに、その間のクジラ捕獲数を漸進的に削減していくとするIWC議長提案が協議されている。提案では、2020年以降のモラトリアムの地位については保留されている。

 日本、ノルウェー、アイスランドは、1986年の商業捕鯨モラトリアムを事実上無視し、2008~09年シーズンだけで1500頭以上のクジラを捕獲している。

 日本政府は、捕鯨船に国際監視団の乗船を許可することに同意しているほか、市場に出回る鯨肉などの調査を容易にするためのDNA登録制度創設を支持する意向も表明している。

 さらに、インウッド氏によると、日本は1994年に鯨類禁漁区(サンクチュアリ)に設定された南極海での捕獲数を半減させる提案までも行ったという。山田正彦(Masahiko Yamada)農林水産相は22日、この数字からさらに削減する可能性もあることを示唆した。

 一方、反捕鯨国側は日本政府に対し、南洋での捕鯨活動を一切止めるよう求めている。(c)AFP/Marlowe Hood