【6月2日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)の国際がん研究機関(International Agency for Research on CancerIARC)は1日、がんによる年間死者数は2030年までに、08年からほぼ倍増の1330万人に達するとの新たな予測を発表した。

 27種類のがんに焦点をあてたこの予測は、2030年までに、がんの年間罹患(りかん)者数は2130万人(08年は1270万人)、年間死者数は1330万人(08年は760万人)に跳ね上がるとしている。

 08年では、年間罹患者数の56%、年間死者数の63%を、発展途上国が占めた。罹患数が最も多いのは肺がんで、次いで多かったのは乳がん、大腸がんだった。

 死者数を国別に見ると、人口の多い中国、インド、米国が多かった。

 死者数の対人口比が最も高かったのは、北米、西欧、オーストラリアだった。この理由について専門家は、タバコなど、第二次大戦後の先進国における消費習慣を挙げている。タバコの消費量は現在途上国で増えつつあることから、肺がんによる死亡率は今世紀も伸び続けるだろうと、専門家らはみている。(c)AFP