【5月21日 AFP】2012年ロンドン夏季五輪とパラリンピックの公式マスコットが19日、発表された。

 さまざまな五輪グッズに利用されるマスコットの名称は、五輪が「ウェンロック(Wenlock)」、パラリンピックは「マンデビル(Mandeville)」で、ロボットのように「未来的な」デザインの一つ目のキャラクター。

 発表会見の席で、ロンドン夏季五輪組織委員会のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)委員長は、子どもたちに「良い友達」と思ってもらえるようになればと語った。

 しかし、このキャラクターたちのデザインで、ロンドン名物を連想させるのは、ライトを模して頭についている小さなオレンジ色の部分だけだ。デザイナーは、おなじみ黒塗りのロンドンタクシー(ブラックキャブ)の前部にある「Taxi」のサインから着想したという。

 ウェンロックとマンデビルという名称は五輪の歴史に由来する。

 五輪キャラクターのウェンロックの名は、イングランド中部シュロップシャー(Shropshire)州の村、マッチ・ウェンロック(Much Wenlock)からとった。「近代五輪の父」、ピエール・ド・クーベルタン(Pierre de Coubertin)男爵が五輪を創設するきっかけのひとつとなった多種目のスポーツ大会が開催されていた村だ。

 パラリンピックのキャラクター、マンデビルは、戦争で脊髄を損傷した元兵士たちのために作られた「ストーク・マンデビル病院(Stoke Mandeville Hospital)」にちなんでいる。この病院が始めた患者たちのためのスポーツ大会が、パラリンピックの起源とされる。

 児童作家マイケル・モーパーゴ(Michael Morpurgo)氏がふたつのキャラクターのために作った設定は、五輪スタジアム建設に使われた最後の鉄骨のしずくから生まれたというストーリーだ。(c)AFP