【5月9日 AFP】エジプト人富豪のモハメド・アルファイド(Mohamed Al Fayed)氏(77)が経営する英ロンドン(London)の高級百貨店「ハロッズ(Harrods)」が、カタール政府系の投資会社「カタール・ホールディング(Qatar Holding)」に売却されることになった。アルファイド氏に財務上の助言をしている米投資銀行ラザード・インターナショナル(Lazard International)が8日明らかにした。

 売却金額は明らかにされていないが、15億ポンド(約2000億円)にのぼると報じられている。

 アルファイド氏はハロッズの会長職を退き、今後は子どもや孫と過ごす時間を増やすという。カタール・ホールディングは今後世界有数のブランドとしてハロッズを育てていく方針で、アルファイド氏は名誉会長に就任するという。

 アルファイド氏とその兄弟は1983年、当時ハロッズを所有していた英企業ハウス・オブ・フレイザー(House of Fraser)グループからハロッズ株の30%を取得した。その後6億1500万ポンドで残りの株式を取得したが、アルファイド氏と実業家のタイニー・ローランド(Tiny Rowland)氏の買収合戦は1980年代を通じて続いた。 

 ハロッズを手中に収めたアルファイド氏は3億ポンドを投じて大改修を行い、大理石の内装やエジプト風のデザインを取り入れた。現在はエレベーター40基と水が流れる3つの噴水を備え、毎年数百万人が訪れている。アルファイド氏は自分が死んだらハロッズに埋葬して欲しいと語ったこともある。

 アルファイド氏は、1997年に息子のドディ(Dodi)氏がダイアナ元妃(Princess Diana)と共に事故死したのは英国の陰謀だと10年にわたり主張してきたことでも知られる。(c)AFP

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