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現代人とネアンデルタール人、ゲノムに交雑の痕跡

2010年5月7日 14:25 発信地:ワシントンD.C./米国

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現代人とネアンデルタール人、ゲノムに交雑の痕跡
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ネアンデルタール人のゲノム解析を行っている国際チームの面々。左からスバンテ・ペーボ(Svante Paabo)教授、リチャード・グリーン(Richard Green)准教授、エイドリアン・ブリッグス(Adrian Briggs)氏、ヨハネス・クラウゼ(Johannes Krause)氏。写真は米国科学振興協会(AAAS)提供(4月30日提供)。(c)AFP/Image courtesy of Max-Planck-Institute EVA
【5月7日 AFP】絶滅した旧人ネアンデルタール人の化石のゲノム(全遺伝情報)を解読した結果、現生人類(ホモ・サピエンス)と交雑していた可能性が示されたと、独マックス・プランク進化人類学研究所(Max-Planck Institute for Evolutionary Anthropology)などによる国際チームが6日、発表した。

 7日付の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された研究は、現生人類と先史時代の近縁種ネアンデルタール人が、その後いかに異なる運命をたどったかを解明する手がかりとなり得る。

 国際チームを主導した1人、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校(University of California, Santa Cruz)のリチャード・グリーン(Richard Green)准教授は、「ネアンデルタール人から現生人類が受け継いだ遺伝子があることはほぼ確実といってよいだろう」と述べた。

 今回使用したネアンデルタール人のDNAは、クロアチアの洞窟で発見された約4万年前のネアンデルタール人の骨の化石から採取した。ゲノム解析の結果、現生人類のゲノムの4%がネアンデルタール人に由来すると推定された。

 ゲノムを比較分析すれば、現生人類だけが持つ遺伝子を特定できる。国際チームの研究主任、マックス・プランク研究所のスバンテ・ペーボ(Svante Paabo)教授は、「現生人類に最も近い種とわれわれを分かつ決定的な遺伝学的特徴を、初めて突き止めることができる」と成果を高く評価した。

 現生人類に比べ頑丈な体格で額が狭い特徴をもつネアンデルタール人は約40万年前に登場し、欧州から中近東、中央~西アジアにかけて生息したが、化石などの証拠から約2万8000年前に絶滅したとされる。最後の足跡が残っているのはジブラルタル(Gibraltar)だ。

 ネアンデルタール人と現生人類は約30万年前に共通の祖先から枝分かれし、一定期間は共存していた。このため、ネアンデルタール人の絶滅の理由はこれまで激しい議論の的となってきた。

 今回、アフリカ南部と西アフリカ、中国、フランス、パプア・ニューギニアの現生人類5人のゲノム配列とネアンデルタール人のものを比較したところ、アフリカ以外の地域の現代人のゲノムのほうがよりネアンデルタール人に近かった。このことから研究チームは、初期の現生人類が旧人類から枝分かれしたアフリカを離れて間もなく、現在の中近東でネアンデルタール人と交雑し、その後ユーラシア大陸に広がったと推定している。(c)AFP/Jean-Louis Santini
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