【4月29日 AFP】韓国人女優の6割がキャリアアップと引き換えに性的接待を持ち掛けられた経験があることが、最近の調査で明らかになった。韓国当局は、女優を保護する新たな法律の制定を目指す方針だ。

 韓国文化体育観光省の関係者が28日、AFPに語ったところによると、新たな法律では芸能事務所の設立に厳しい規定を設け、未登録の事務所は閉鎖する。できれば年内にも成立させたいとしている。

■はびこる「性的接待」、苦にした女優が自殺

 韓国では前年、女優のチャン・ジャヨン(Jang Ja-Yeon)さんが、今後の仕事と引き換えに有力者と性的関係を持つよう持ち掛けられたことを苦に自殺。事件後、国家人権委員会(National Human Rights Commission)は女優111人と女優志願者240人を対象に、実態調査に乗り出した。

 27日に公表された調査結果によると、女優としてのキャリアに影響を与え得る資産家やテレビ・映画制作者、政治家などを相手に性的接待を持ち掛けられた経験がある人は、約60%にも上った。接待の提案は同僚や芸能事務所、仲介業者などを通じて行われたという。

 「事務所から性的接待を強要または要求された」と答えたのは22%、性的虐待を受けたとの回答は6%だった。また、半数以上が資産家と定期的に性的関係を持つことで財政支援を受ける「スポンサー」オファーを受けたことがあると回答した。

 ある20代の女優は、事務所の社長から高価な洋服やアクセサリーを買い与えられた後、ホテルに引きずり込まれ、「芸能界で成功するためにはもっと男を知るべきだ」と言われた経験を告白。いまだにショックから抜け出せずにいると語ったという。

 45%が酒席での接待を強要され、体の一部を触られるなどのわいせつ行為を受けた人も32%に上った。(c)AFP