【4月27日 AFP】喫煙習慣や喫煙への依存は、多くの場合、遺伝子によって引き起こされている――。このような結果を示す3つの研究が25日、科学誌「ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)」(電子版)で発表された。

 アイスランドのゲノムデータ企業「deCODE」のKari Stefansson最高経営責任者(CEO)率いる研究チームなどが行った研究によると、複数の染色体のDNAコードで起きる遺伝子の単独変異が、さまざまな喫煙習慣に関係していることが分かったという。単独変異は広く知られていたが、喫煙者と非喫煙者14万人以上の遺伝子検査に基づいた研究で、第11染色体の遺伝子の変異体が喫煙の開始に強い関連性をもち、第9染色体の遺伝子の変異体が禁煙に関連性をもつことが示された。

 別の研究では、第8および第19染色体をもつ人は、もっていない人に比べ、たばこを1日あたり約半箱分多く吸う傾向が強く、肺ガンにかかる可能性も10%高いことが明らかになった。

 今回の研究で分かった遺伝子の変異体は、これまでに知られている喫煙依存に関連する遺伝子変異体に加えられるほか、タバコへの高い依存リスクを有する可能性のある人物を特定する診断ツールの開発にも役立つと見られている。(c)AFP