【4月25日 AFP】韓国の金泰栄(キム・テヨン、Kim Tae-Young)国防相は25日、前月26日に韓国海軍の哨戒艦「天安(Cheonan)」が沈没した原因としていくつかの可能性があるなかで、魚雷による攻撃の可能性が最も高いと発言した。

 金国防相は沈没の直後、機雷あるいは魚雷が原因の可能性があると発言していた。しかし韓国政府はその後、この件について北朝鮮政府を名指しすることは慎重に避けてきた。

 ここ数日、沈没の原因は海中での爆発だったとする消息筋の情報がいくつか報じられていたが、原因調査が始まった後に閣僚が沈没と魚雷の関係について明確に言及したのは金国防相が初めて。

 爆発で2つに分かれた船体の後部は今月15日に、前部は24日に引き揚げられ、外国の専門家も参加して調査が行われている。複数の当局者は、船体が爆発の衝撃を受けたことが分かったと話している。調査結果は近日中に発表される予定。

 24日の引き揚げ作業を中継したテレビ映像では、船体前部のハッチのヒンジが外れ、煙突がなくなっていた。聯合ニュース(Yonhap news)は25日、これは魚雷などの水中兵器が哨戒艦を直撃したのではなく、船体の下、あるいはすぐそばで爆発したことを示しているという政府関係者の話を伝えた。

 北朝鮮は23日、南北共同事業の象徴である金剛山(Mount Kumgang)観光地域内に韓国側が所有する施設などを没収し、哨戒艦の沈没をめぐって両国は交戦の危機にあると警告を発した。これについて記者団から質問を受けたヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は同日、韓国と北朝鮮の間に新たな戦争をもたらしかねない「計算違い」がないことを望むと発言した。(c)AFP