【4月22日 AFP】インターネットセキュリティ大手、マカフィー(McAfee)が21日に配信したコンピューターウイルスの定義ファイルが基本ソフト(OS)Windowsのシステムファイルをウィルスと誤認識してしまい、コンピューターが使えなくなるトラブルが世界各地で起きた。

 マカフィーによると、対象となったのは米マイクロソフト(Microsoft)のOS「ウィンドウズXPサービスパック3(Windows XP Service Pack 3)の法人顧客。全米の大学や病院、企業などで、ウィンドウズのシステムファイルがウィルスと誤認識されて、再起動を繰り返し続ける現象が起きた。

 マカフィーは同日中にこの誤りを修正するファイルをリリースし、顧客にダウンロードするよう呼びかけた。

 コンピューターセキュリティ関連の教育機関、SANSテクノロジー・インスティテュート(SANS Technology Institute)で、コンピューターセキュリティ関連の情報を提供しているインターネットストームセンター(Internet Storm Center)によると、数千台のコンピューターがダウンしたネットワークや、問題を解決するまで業務が出来なくなった組織などから報告があったという。米ミシガン大学(University of Michigan)では医学部などの2万5000台のパソコンのうち8000台がトラブルに見舞われた。

 米半導体大手インテル(Intel)の本社で会議中にトラブルに遭遇したITアナリストのロブ・エンダール(Rob Enderle)氏によると、近くにいた人のノートパソコンが軒並みクラッシュしたという。「インテルのチップとマカフィーのセキュリティソフトを使っている企業の大半がダウンしたのではないだろうか。この種のトラブルはあまり起きるものではないが、ユーザーは簡単には忘れないだろう。マカフィーには打撃になると思う」(エンダール氏)

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