【4月6日 AFP】人間にとって有害なジャンクフードや貧弱な食習慣は、犬や猫などのペットの寿命も縮める――。死亡したペット犬600匹の食生活を調査した、ベルギーの動物はり師のジェラール・リッペール(Gerard Lippert)氏は、加工食品を与えられている犬や猫はアレルギーや肥満で寿命が短くなっていると指摘した上で、「ペットは、人間と同様、ジャンクフードの犠牲者だ」と語る。

 実際、リッペール氏による調査の結果、加工食品を与えられていた犬は、家庭で作ったえさを食べていた犬よりも寿命が3年短かった。リッペール氏によると、犬はもともと人間と食事を分け合う雑食性の動物だという。

 リッペール氏によると、ペットの皮膚や筋肉、消化器系の問題をはりで治療してほしいとの要望が増加しているという。

 リッペール氏は、「乾燥ドッグフードやキャットフードは過度に加熱されており、ビタミン類や微量元素などの基本栄養素が破壊されている」とし、さらに「使用されているタンパク質の由来も不明だし、たいていが遺伝子組み換えである穀類が過剰に含まれている一方で、野菜類はほとんど含まれていない」と指摘。「われわれは、ペットの犬や猫を反すう動物にしつつある」

 ペットにとって理想的なえさは、ペットの年齢や体重、運動頻度も考慮に入れた、肉や野菜、米、パスタなどとともに約50種類の栄養素が含まれているものとされているが、飼い主はそうした栄養バランスのとれたえさを用意することが難しいため加工ペットフードを利用したがる。

 スーパーなどで販売されているペットフードには、尿のにおいを抑えるものやふんの固さを変えるものさえある。

 ペットフード産業は、1860年に英国で世界初の犬用ビスケットが開発されたことで始まった。それから150年がたち、現在は自然食品への回帰が叫ばれている。

 犬は加工ドッグフード無しでは生きていけないと信じるようになったのは、ここ100年ほどのことである。自宅で作った食事の残りを与えると危険だと言われてきたが、これはまったく「馬鹿げた話」と自然食品関係者は語る。(c)AFP/Isabelle Toussaint