【4月3日 AFP】オランダのロッテルダム(Rotterdam)港で2日、国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)のメンバーたちが停泊中の貨物船のロープに自分たちの体を鎖でくくりつけ、日本への鯨肉の輸出を実力行使で阻止しようとした。

 鯨肉輸出に抗議するメンバーたちが行動を開始したのは、現地時間午前4時30分(日本時間同日午前11時30分)。グリーンピースによるとこの貨物船はパナマ船籍で、アイスランド産の鯨肉が入ったコンテナ7個を積んでいた。絶滅危惧種のナガスクジラの肉160トンが入っていたという。

 メンバーたちは7時間以上経ってから警察によって船から引き離された。ロッテルダム警察の広報担当者によると、メンバーたちはその後事情聴取を受けた。今後罰金が科される見通しだという。

 抗議行動に参加したメンバーの数についてグリーンピースは15人、警察は7人と発表している。

 グリーンピースは声明で、船主が「鯨肉の入ったコンテナは出港させないことにしたと、ロッテルダム警察から伝えられた」と発表した。

 同日、日本では東京地検が、日本の調査捕鯨船団の船に侵入したニュージーランド国籍の反捕鯨活動家を艦船侵入などの罪で起訴するなど、日本の捕鯨産業と環境保護団体などとの対立は長期にわたっている。

 日本が継続しているのは調査捕鯨だが、国内ではスーパーで鯨肉が販売されたり、料理屋で提供していることに反対派の非難が集まっている。一方、アイスランドはノルウェーと並んで世界で2か国だけ商業捕鯨を継続している。(c)AFP