【3月30日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は29日、同日朝に通勤時の地下鉄で起きた連続自爆攻撃で38人が死亡した事件の現場の1つとなったモスクワ(Moscow)のルビャンカ(Lubyanka)駅を訪れ、プラットフォームで犠牲者に花輪を捧げた。メドベージェフ大統領は、爆破攻撃の犯人らを「けだもの」と呼び、「必ず首謀者らを捜しだし、せん滅する」と言明した。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相も同様に、自爆攻撃の黒幕を壊滅させると述べるなど、両首脳とも、事件の背後にいるとされる北カフカス(Northern Caucasus)地方の武装グループとの対決姿勢を鮮明にした。

 ロシア当局は2件の爆発は爆発ベルトを身に着けた女2人による自爆攻撃と断定した。モスクワでは10年ほど前にも、夫をロシア軍に殺害されたチェチェン共和国などの女性らによる報復の自爆攻撃が相次いだ時期がある。こうした自爆犯らは「黒い未亡人」と呼ばれた。

 だが、地下鉄が爆破され41人が死亡した2004年の事件を最後に、チェチェンの武装勢力による大きな爆発や自爆攻撃は起きていなかった。

 非常事態省によると、29日の自爆攻撃による死者は38人。この中には、自爆犯の女2人は含まれていない。このほか、64人が負傷している。

 国営テレビは、携帯電話で撮影した事件直後の現場の様子を放映。遺体が散乱し、煙が充満する構内で乗客らが混乱に陥る生々しい映像が流れた。(c)AFP/Alexander Osipovich