【3月29日 AFP】韓国国防省は29日、黄海(Yellow Sea)で26日夜に沈没した韓国海軍の哨戒艦「天安(Cheonan)」(1200トン級)の爆発原因は、朝鮮戦争時代の残留機雷に接触した可能性があると発表した。

 北朝鮮との南北境界水域で発生し、現在も46人が行方不明のままで韓国史上最悪となった海難事故では、爆発によって船体がふたつに割れた。

 同海域では99年と02年、さらに09年11月に韓国軍と北朝鮮軍の交戦が発生しているが、韓国筋はこれまでのところ、北朝鮮側が天安を攻撃したような証拠はないとしている。金泰栄(キム・テヨン、Kim Tae-Young)国防相は韓国国会国防委員会で、爆発に先んじて魚雷が来襲した兆候などはなかったというレーダー担当の生存者の話を引用した。ただし金国防相は「北朝鮮が敷設した機雷が韓国領内に漂着した可能性はある」と語った。

 同相によると朝鮮戦争時、北朝鮮はソ連から約4000個の機雷を輸入し、うち約3000個が黄海および日本海に敷設されたとみられている。「多くは除去されたが、全部を回収するのは不可能だっただろう」と同相は語った。

 1959年と1984年にはそうした機雷とみられる1個ずつが発見されたが、2008年に韓国側が行った徹底捜索では発見された機雷はなかった。今回の事故の捜査チームは「そうした残留機雷のうちの1個が漂流していた可能性を除外できないし、北朝鮮側が意図的に漂流させた可能性も調査している」と金国防相は述べた。

 一方、朝鮮半島西岸に韓国が敷設した機雷はないと同相は語った。(c)AFP