【3月22日 AFP】カタール・ドーハ(Doha)で開催中のワシントン条約締約国会議(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and FloraCITES)は21日の委員会で、宝飾品などに加工される宝石サンゴの輸出規制案を否決した。

 アカサンゴやモモイロサンゴなど高値で取り引きされる宝石サンゴの採取量は、1980年と比較して85%減少している。規制案は、深海でサンゴ礁を形成する、地中海に生息する1種および日本と台湾の近海に生息する6種の計7種について、輸出国の許可証発行を義務付ける「付属書2(CITES Appendix II)」に掲載することを提案した。

 これに対し日本は、宝石サンゴの採取はすでに厳格に管理されているとして反対を表明。また、サンゴ産業に依存する北アフリカ諸国も反対に回った。採決では賛否がほぼ二分されたが、賛成票が可決に必要な3分の2に達しなかったため否決となった。

 地中海・大西洋産クロマグロの国際取引禁止案に次ぐ否決で、希少な海洋生物を保護するにあたってのCITESの有効性に対する疑問の声も上がっている。(c)AFP/Marlowe Hood