【3月11日 AFP】国連ソマリア監視団(UN Monitoring Group on Somalia)はこのほど、ソマリアに届けられた援助食糧の半分が日常的に他の目的に流用されているとして、世界食糧計画(World Food ProgrammeWFP)の管理手法を問う報告書を作成した。

 報告書は、国連安全保障理事会(UN Security Council)制裁委員会に提出される。AFPが入手した報告書は、本来は入札で決定されるべきWFPの援助食糧の輸送業者について、事実上のカルテルが存在し、過去12年以上にわたって3個人とその親族・友人が援助物資輸送ビジネスにおける収入の80%を独占していると非難している。

 報告によると、WFPとの輸送契約はソマリアにおける最大の収入源となっており、この3人の請負業者の収益は2009年1年で2億ドル(約180億円)に上った。3人は今や国内で1、2を争う富豪になり、強大な影響力を行使しているほか、武器の販売への関与や武装勢力との結び付きも指摘されているという。

 報告書は、ソマリアに対する人道支援はその大部分が食糧援助で構成され、その大半はWFPの管理下にあるとしている。

 WFPはこれらの指摘について、「根拠のないうわさ」だと否定している。(c)AFP/Herve Bar