【3月2日 AFP】フランスでローマカトリック信者向けに提供されている「ざんげ専用電話」が、司祭らの反発を招いている。

「神様の電話(Le Fil du Seigneur)」と名付けられたこの有料回線に電話をつなぐと、男性の優しい声が次のように案内する。「ざんげに関するアドバイスは1を、ざんげをする場合は2を、ほかの方のざんげを聞きたい場合は3を、それぞれ押してください」

「ただし、われらの主キリストに背くような重大な罪の場合は、必ず司祭に直接打ち明けてください」 

 このサービスは、パリ(Paris)の電話メッセージング・サービス会社AABASのカトリック教徒の社員らが、四旬節に合わせて提供を開始したもの。開始から1週間で約300回の利用があったという。

 サービスは、司祭が行う「罪のゆるし」を提供するものではない。電話の向こうではざんげを聞いてくれる人はおらず、その代わりに祈とうや荘厳な音楽などが流れ、「敬けんで内省的な雰囲気」を醸し出すという。自分のざんげを録音したり、他人が録音したざんげを聞くことも可能という。

 料金は、通話料プラス1分あたり0.34ユーロ(約41円)のサービス料がかかる。収益の一部は慈善団体に寄付されるという。

 なお、このサービスに対しては、同国のカトリック教指導者の団体Conference of French Bishopsが1日、「(回線は)当方の承認を受けていない」とする警告書を出した。サービスの主催者らも、サービスの停止を求める脅迫状などを受け取っているという。(c)AFP