【2月25日 AFP】スイスのジュネーブ(Geneva)で24日、死刑廃止世界会議(World Congress Against the Death Penalty)が開催され、参加した欧州各国は死刑廃止や死刑の執行停止に向けた圧力を強めた。

 EU議長国スペインのホセ・ルイス・サパテロ(Jose Luis Zapatero)首相は、国連加盟国の3分の2以上が、死刑廃止か執行停止を行っていると述べた。参加国によるとこのような国は約140か国に上っている。

 しかし、アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によると中国、イラン、サウジアラビア、パキスタン、米国、北朝鮮で世界の約93%にあたる死刑が行われている。

 サパテロ首相は、完全な死刑廃止に向けた第1歩として2015年までに全世界で死刑執行を停止することを目指し、スペインは世界の著名人が参加する国際委員会を年内に発足させると述べた。

 イタリアも今年の国連総会で死刑に反対する新しい決議案を提出する意向を示した。2007年の国連総会で、死刑制度を存続させている国に死刑執行の一時停止を呼びかける決議が採択されている。

 欧州連合の執行機関、欧州委員会(European CommissionEC)のカレル・コバンダ(Karel Kovanda)対外関係総局次長は会議で、EUは中国やイランだけでなく米国や日本などの先進国にも死刑廃止を働きかけていると語った。

 ノルウェーのグライ・ラーセン(Gry Larsen)副外相は、35州で死刑が存続している米国で変化が起きれば非常に強いメッセージになるだろうと述べるとともに、米国で死刑廃止が進まなくても世界的な流れをとどめることはないだろうと述べた。(c)AFP